http://www.sankei.com/smp/economy/news/171213/ecn1712130007-s1.html

 KDDI(au)が、前回の半額程度となる新しい学割を打ち出すのは、格安スマートフォン事業者との熾烈(しれつ)な顧客獲得競争を勝ち抜くためだ。KDDIは、データ利用量に応じて変動するなど他の携帯大手にない新料金プランが年内に400万契約に達する見込みとなるなど好調だ。新学割も新料金プランからさらに割り引くことで、携帯大手との差別化も図り、貴重な新規顧客の中高生ら若者を取り込む考えだ。

 KDDIは、ソフトバンクの格安スマホブランド「ワイモバイル」など格安スマホ事業者への顧客流出の影響が、NTTドコモやソフトバンクよりも大きいとされる。そのため、7月から始めた変動制料金の「ピタットプラン」と大容量のデータを利用できる「フラットプラン」で流出を防ぐことに躍起になっている。新プランは順調に契約を伸ばしているが、「流出は緩やかになったが止まってはいない」(KDDI関係者)のが現状だ。

 KDDIの最大の競合相手ともいえるワイモバイルは、前回、1月だった学割の発表を前倒しして、今月1日から基本料を無料にするという大胆な新学割を導入した。ソフトバンクのワイモバイル事業推進本部の寺尾洋幸本部長は「携帯電話市場は飽和状態になってきている中で学生さんは非常に大きな存在だ」と導入の重要性を強調している。

 KDDIは新学割で、ワイモバイルがCMなどで訴える「月額1480円」と同じ月額料金をアピールし、さらにワイモバイルに合わせて12月に導入するなど対抗心をむき出しにしている。

 ドコモやソフトバンクも新学割を例年より前倒しで導入することを検討しているとみられる。国内のスマホ契約者が頭打ちになる中、学割対象者というパイの奪い合いは続きそうだ。

(大坪玲央)

追加ソース
http://www.sankei.com/smp/economy/news/171213/ecn1712130008-s1.html