http://www.sankei.com/smp/economy/news/171219/ecn1712190002-s1.html

 ヤフーが、1年間で最もふるさと納税の寄付が集中する大みそかに備えて、決済用のサーバーの能力を前年比2〜3倍に増強したことが18日、分かった。昨年末、ふるさと納税サイト最大手のふるさとチョイスに寄付が殺到し、ヤフーのクレジット決済のサーバーがダウンしたことを受けた対応。ふるさとチョイスも、別の決済サービスを導入するなど「駆け込み納税」への対策を急いでいる。

 ヤフーは、ふるさと納税などをクレジットカードで決済処理するサービス「ヤフー公金支払い」を、ふるさと納税サイトや自治体向けに平成19年から開始。ふるさとチョイスには25年から提供している。

 ふるさと納税は例年、年間の納税期限の大みそかに寄付が集中する傾向にある。昨年は大みそかの午後11時過ぎにふるさとチョイスに寄付が殺到したため、ヤフーのサーバーで受け付けができないなどのトラブルが約4千件発生した。

 さらに今年は、ヤフー公金支払いを導入したサイトが3社から4社に増加。このため、ヤフーは、公金支払いより決済額が多いネット通販サイトの決済の仕組みを導入したり、サーバーの台数を増やしたりするなどの対応で能力を増強した。トラブル対応の態勢も2人から11人に拡充する。

 ふるさとチョイスもヤフー公金支払いに加えて、GMOペイメントゲートウェイのクレジットカード決済サービスを導入。現金自動預払機(ATM)やコンビニエンスストアでも寄付できるようにするなど、決済手段を拡充することで処理の分散を図っている。

 ソフトバンク系のふるさと納税サイト大手のさとふるも、大みそかに向けてサイトを管理するサーバーを増強したり、負荷テストを1年間通して実施したりするなどの対応を取っている。

 一方で、今年は、総務省の通知を受けて、自治体が返礼品の寄付額に対する割合を見直す前の5月ごろに、寄付が多くなったため、「大みそかの駆け込み寄付がどこまで伸びるか、予測しづらい」(関係者)との見方も出ている。