元看護助手の再審決定 湖東病院「呼吸器外し」事件
2017年12月20日 14時03分
www.kyoto-np.co.jp/top/article/20171220000086

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、男性患者=当時(72)=の人工呼吸器を外して死亡させたとして殺人罪に問われ、服役した元看護助手の西山美香さん(37)が裁判のやり直しを求めている再審請求で、大阪高裁(後藤眞理子裁判長)は20日、再審を認める決定をした。
 今回の審理で西山さんの弁護団は、患者が致死性不整脈で病死した可能性を指摘する医師の意見書を提出し、事件性はなかったと主張していた。患者の死因や自白の信用性について高裁の判断が注目されていた。
 西山さんの弁護団によると、これまで高裁は解剖結果をもとに患者が事件以外で死亡した可能性に関心を示し、弁護側、検察側の双方に死因について主張や立証を促していた。
 05年の確定判決によると、西山さんは職場での待遇への不満から病院に恨みを抱き、それを晴らすために事故を装って患者の殺害を計画。人工呼吸器のチューブを抜いて患者を殺害したとされた。
 西山さんは最高裁で懲役12年が確定、今年8月に和歌山刑務所(和歌山市)を満期出所した。今回の再審請求は2度目だった。