2017年12月21日 08時13分

 20日午前3時頃、石川県志賀町の富来漁港近くの消波ブロックに、木造船が漂着しているのを釣り人が発見し、110番した。

 乗員はいなかった。船首部にハングルや数字が記されていることから、金沢海上保安部と羽咋署は、北朝鮮籍のイカ釣り船の可能性があるとみて、船を引き揚げ、調べている。

 金沢海上保安部の発表によると、木造船は全長約10メートル、幅約2・5メートルの古い船で、海産物を干すために使うやぐらのような骨組みが残っていた。船は浸水し、目立った残留物はなかった。数枚の旗が掲げられていたほか、漁具の浮きや網の一部があった。

 同海保は、巡視船や巡視艇で付近海域を調査しているが、関連する浮遊物は見つかっていない。

 現場は、港周辺に民家が立ち並ぶ一角。遠巻きに見ていた近くの女性(65)は「これから岩のり漁が最盛期を迎えるのに気味が悪い。怖いので、のり漁には出られない」と不安顔。地元の男性(64)は「北の工作員が乗り込んでいた可能性はないのか。今冬は近くの海岸で船の残骸のような木片をよく見つける。玄関の戸締まりを厳重にしたい」と話した。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20171221-OYT1T50035.html