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12月22日 17時31分
生活保護のうち食費や光熱費などの生活扶助について、厚生労働省は大都市の一部の世帯で金額を5%引き下げるなどとした、新たな基準額を公表しました。今回の見直しによって全体の3分の2の世帯は生活扶助費が減る見通しです。

生活保護のうち食費や光熱費などの生活扶助の基準額は、一般の低所得世帯の生活費と比較したうえで5年に1度見直しが行われ、厚生労働省は22日、世帯ごとの新たな基準額を公表しました。

それによりますと、いずれも大都市の中学生と小学生の子どもが2人いる夫婦の世帯は17万6000円と、今より9000円(ー5%)引き下げられ、65歳の単身世帯では7万6000円と、今より4000円(−5%)、高校生と中学生の子どもが2人いる母子家庭では15万5000円と、今より8000円(ー5%)の引き下げとなります。

これらの世帯について厚生労働省は当初、さらに大幅な引き下げを検討しましたが、専門家会議の委員から反対意見が相次ぎ、引き下げ幅はいずれも5%にとどめました。

一方、いずれも地方の町村部の、小学生の子ども1人を育てる母子家庭では10万5000円と、1万2000円、率にして13%引き上げられるほか、3歳から5歳の子ども1人を育てる夫婦の世帯では12万6000円と6000円、率にして5%引き上げられます。

厚生労働省によりますと、今回の見直しによって全体の67%、およそ3分の2の世帯は生活扶助費が下がる見通しです。

基準額の見直しは来年10月から3年かけて段階的に実施され、これによって生活扶助の国の負担金は3年間の総額で160億円程度、率にして1.8%削減されることになります。
今回の見直しを受けて、厚生労働省は生活扶助や教育扶助、それに住宅扶助の上限をあわせた生活保護費の合計額が世帯ごとにどう変わるのかを示しました。

それによりますと、3歳から5歳の子ども1人を育てる30代夫婦の場合、東京23区などの大都市では22万6000円となり今より1.6%減少するのに対し、地方の町村部では17万6000円と逆に3.5%増加します。

中学生と小学生の子ども2人を育てる40代の夫婦の場合、大都市では28万1000円となり今より3.1%減少し、地方の町村部でも21万2000円と2.4%減少します。

30代の母親が小学生の子ども1人を育てる母子家庭では、大都市は21万8000円となり今より0.1%増加し、地方の町村部では17万1000円と4.7%増えます。

65歳の単身世帯では、大都市は13万1000円となり、今より3%減少し、地方の町村部では9万4000円と0.2%減少します。

65歳の夫婦の世帯では、大都市は18万4000円となり、今より0.5%減少し、地方の町村部では14万円と5.3%増加します。

こうした生活保護費の見直しは、来年秋から3年間かけて段階的に実施されます。