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12月22日 19時09分カ
スペインからの独立の是非が争点になったカタルーニャ州の州議会選挙は、独立支持派が過半数を獲得し反対派を上回って勝利する結果となりましたが、世論はほぼ二分されており、今後発足する州政府は選挙を通じて深まった社会の分断を解消することができるのか問われることになります。

この選挙はカタルーニャ州議会がスペインからの一方的な独立宣言を可決して中央政府によって強制的に解散させられたことを受けて21日行われたもので、独立支持派の3つの政党が135議席の過半数を上回る70議席を獲得して勝利しました。

これを受けて今後、独立支持派が州政府を発足させる見通しですが、独立支持派の幹部ら8人は独立運動を主導した疑いで拘束されていたり、拘束を逃れて国外に滞在したりしていて指導層不在のままどう政権を発足させるかが課題となります。

一方で、今回の選挙では得票数では独立支持派と反対派がきっ抗していて世論は二分されています。

このうち州都バルセロナでは、独立をめぐって住民どうしが独立支持派と反対派に分かれて激しい議論が行われた余波で、社会が分断していることを懸念する声が多く聞かれました。

選挙結果を受けて発足する州政府が社会の分断を解消して、経済の立て直しなどにつなげていけるかが問われることになります。

市民も分断を懸念

選挙から一夜明け、カタルーニャ州の州都バルセロナの市民からは独立をめぐる議論の結果、社会の分断が深まっていることについて一様に懸念の声が上がっています。

独立支持派に投票した男性は「結果には満足している。ただ、スペイン中央政府がどう出てくるかが重要で政権作りは簡単ではない。また、市民の間に亀裂が生まれ、解決策が見いだせずに複雑な心境だ」と話していました。

また、反対派に投票した男性は「独立支持派が勝利したのは悲しい。さらにカタルーニャ社会は完全に二分され経済も悪くなっていくだろう。先行きが見通せず心配だ」と話し、今後も混乱が続くとの見通しを示していました。

このほか、20代の女性は「バルセロナの市民はこの問題に疲れ切っている。早く解決して平穏に暮らしたいだけだ」と話し、一刻も早い混乱の収束を期待していました。

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