https://www.cnn.co.jp/m/fringe/35112309.html

2017.12.22 Fri posted at 18:00 JST
(CNN) クリスマスにサンタクロースがやって来ると信じている子どもはどのくらいの割合を占めて、何歳ごろから疑いを抱き始めるのか――。このテーマには長年、多くの研究者が取り組んできた。

1978年に米国の矯正精神医学専門誌で紹介された小規模な聞き取り調査によると、サンタの存在を信じる子どもの割合は4歳児で85%、6歳児で65%、8歳児になるとぐんと減って25%。この数字は30年近くたった今もあまり変わっていないとの見方が強い。

米テキサス大学オースティン校のジャクリーン・ウーリー教授らのチームが2011年に発表した研究では、5歳児の83%がサンタはいると信じていた。

米ジョージ・メイソン大学のサリア・ゴールドスタイン教授も最近の研究を基に、「85%前後が適当だろう」と話す。

米調査機関ピュー・リサーチが13年に発表した研究によると、子ども時代にサンタが来ていたという米国人は全体の4分の3近くを占めた。

欧州の一部の国でも米国と同じような傾向がみられる。

99年にフィンランドで開かれた幼児教育の学会では、子どもを持つ英国人161人を対象とした調査の結果が報告された。それによると、わが子が8歳までサンタを信じていたという回答が92.5%を占めていた。

ウーリー氏とゴールドスタイン氏が昨年のクリスマス前に共同でまとめた研究では、「実物」のサンタに会う機会が多い子どもはサンタの存在を信じやすい傾向があることも分かった。

コネティカット州の子ども向け科学博物館でサンタと会うイベントに参加した2〜10歳の子ども77人に聞き取り調査をしたところ、39.2%の子どもは、イベントで会ったサンタがイブにやって来るサンタと同一人物だと答えた。

本物のサンタに会ったと思うかどうかは、年齢や親からの話とは関係なく、その年に何人のサンタと会ったかによって決まるとの結果が出たという。

一方でサンタを信じなくなる年齢には、子どもの認知発達がかかわっていると考えられる。米オクシデンタル大学のアンドリュー・シュタルマン教授によれば、子どもは小学校低学年になると、現実に起こり得ることとそうでないことを的確に見分ける能力が発達してくる。

同教授らの研究では子どもたちにサンタへの質問を挙げさせ、現実性を見分ける力の検査結果と突き合わせてみたところ、相関関係があることが分かった。

幼い時にはサンタの助手とされる妖精エルフの名前などを尋ねていた子どもが、成長するにつれて「どうやって煙突に入るの」「私が良い子にしているかどうかどうして分かるの」と、より現実的な質問をするようになるという。

ゴールドスタイン氏によれば、サンタを疑うようになった子どもは、クリスマスのなぞが解けたことを誇らしく思うケースが多い。大人の仲間入りをした気分になれるからだ。

サンタがいないと分かって動揺している子どもには、贈り物をする喜びや人助けの精神を話して聞かせることもできると、同氏は提案している。

https://www.cnn.co.jp/storage/2017/12/21/79a720291d4b9afa3ed4b9a90c5cad33/t/320/179/d/do-your-kids-believe-santa-getty.jpg
本物のサンタに会ったと思うかどうかは、その年に何人のサンタと会ったかによって決まるとの結果が出た
https://www.cnn.co.jp/storage/2017/12/21/9cf428663f21e95973d5179de7636323/t/320/180/d/image.jpg