0001孤高の旅人 ★
2017/12/23(土) 05:53:30.99ID:CAP_USER912/23(土) 0:00配信
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171223-00000000-mai-soci
2011年3月の東日本大震災以降、岩手、宮城、福島の被災3県で成人1人当たりのアルコール消費量が急増していることが国税庁の調べで分かった。津波の被災地や住民の避難先では、身近な人との死別や将来への不安が引き金となった飲酒による健康障害や自殺が深刻化。増加が目立つ岩手県は、依存状態の把握やケアの充実を図る独自計画の策定を決め、宮城、福島両県も策定を検討している。
国税庁が公表した最新の都道府県別1人当たりの「酒類消費量」によると、被災3県とも10年度は全国平均(81.8リットル)を下回っており、岩手81.4リットル、宮城68.5リットル、福島65リットルだった。
ところが11年度以降、全国平均は横ばい状態なのに対し、3県は増加傾向。15年度は岩手90リットルと10年度より10リットル近くも増え、宮城84.2リットル、福島81.7リットルも全国平均(81.6リットル)を上回った。都道府県別順位では、10年度と15年度で岩手13位→8位▽宮城39位→12位▽福島44位→16位と上昇している。
震災と飲酒量増加との因果関係は科学的に解明されていないが、消費量が急増した岩手県は、災害によって被災地での飲酒量や依存症患者の増加を懸念。14年施行のアルコール健康障害対策基本法に基づき、今年度内に策定する県の対策計画に「被災者への配慮」を盛り込むことを決めた。
計画案には「復興までの長い年月でのさまざまな環境の変化に伴うストレスの発生や加重が、アルコール健康障害につながらないよう、こころのケア対策と連携して対策に取り組む」と明記。仮設住宅や災害公営住宅などでの見守り活動の中で、住民の飲酒や健康状態を把握し、依存症の疑いがある人や肝機能に問題がある人に専門医を紹介したり、支援団体につないだりするという。
宮城、福島両県も飲酒による健康被害を防ぐ計画を検討。福島県は「被災地とアルコール問題は切り離せない」(障がい福祉課)とし、宮城県も「沿岸部でのアルコール問題は対策が急務」(障害福祉課)としている。
依存症の患者らを支える岩手県断酒連合会の竹中保夫事務局長は「被災地の人々は、悲しみや苦しみから逃れようとお酒に頼りがち。被災者支援事業の終了で経済的に困窮したり、将来不安もあったりして、依存がさらに増える恐れがある」と指摘する。【佐藤慶】
◇都道府県別の酒類消費量
国税庁が各都道府県の酒類販売業者が販売した清酒、ビール、焼酎、発泡酒などの総量を、その都道府県ごとに成人の人口で割った数値。繁華街が多い東京都は、都外からの通勤者らも都内で飲酒するケースが多く、1人当たりの消費量(2015年度は113.7リットルで全国1位)が極端に多い。清酒は新潟県、焼酎は鹿児島県の消費量が多いなど都道府県ごとの特徴もある。