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 創業300年を超える百貨店大沼(山形市七日町、資本金5千万円)は25日、外部の企業再生ファンドから出資などの支援を受け入れる覚書を締結したと発表した。数億円規模の増資で、山形本店と米沢店を改装する方針という。

 締結の相手はマイルストーンターンアラウンドマネジメント(MTM、東京都)。投資を通じて企業の再建を目指す会社で、盛岡市の商業施設「ななっく」や兵庫県姫路市の百貨店の再生などを手がけてきたという。2018年内をめどに再建計画を立てる。出資後には、大沼の事業の主導権を握ることになる。

 記者会見した大沼の児玉賢一社長は「資金調達や社会変化に、自助努力で対応する能力が欠けてきた。大沼を発展、拡大させる中での決断」と語った。当面、大沼の屋号は使い続けるという。1日現在の従業員数は238人で、児玉社長は「人員削減は考えていない」と説明している。

 大沼は1700年創業の老舗百貨店。2000年には約200億円の売り上げがあったが、17年2月期決算では85億円で4期連続の赤字。インターネット通販の普及などが業績悪化の原因という。

 山形市内では、JR山形駅前の十字屋山形店が売り上げの低迷などを理由に1月末に閉店する予定。大沼の児玉社長は「山形の地に百貨店をなくしてはならない」と語った。(望月愛実、田中紳顕)

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