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●上層部から委託業者の利用を減らせとのお達し「何のための値上げだったの?」

業務量の変化について、西日本のBさんもキツさはさほど変わらないという。

「うちのエリアでは、確かに荷物量は減っているようです。委託業者の人も増えています。ただ、それでも一人一人の量に換算すれば、配達し切れるか、次の日に残すかの違い。しんどさはあまり変わりません。むしろ、休憩をきっちり取るよう指示が出ているので、かえってキツくなったかも」

そんなBさんの職場は今後、さらに忙しくなる可能性があるようだ。最近、上層部から委託業者の利用を控えるよう指示があったからだ。委託業者は通常、配達1個当たりいくらという契約になっており、費用がかさみすぎるというのだ。

「今年に入ってからの値上げは、『現場の労働環境を改善するために、利用者の皆さん、運賃改定を受け入れてください』という話ではなかったのかと思います。ただでさえ、キツキツの現有社員の労働密度を上げるというなら、一体何のための値上げだったのか」

ヤマト運輸は今年4月、荷物量を前年度の約18億6700万個から約8000万個減らす計画を立てた。しかし、荷物量は思うように減らず、今年9月、削減目標を半分の3600万個に下方修正した経緯がある。

今年11月までで比べれば、年間の荷物量は前年比101.8%と増えている。12月以降、荷物量は一層減少して行くと見られるが、元の荷物量が多かっただけに、今後従業員の負担がどの程度緩和されるかは、まだまだ不透明。現場が「働き方改革」の効果を実感するには時間がかかりそうだ。

終り