https://www.cnn.co.jp/m/world/35112616.html

2017.12.28 Thu posted at 10:11 JST
(CNN) 北朝鮮が核兵器だけでなく、生物化学兵器も開発しているのではないかとの疑惑が浮上している。

韓国では文在寅(ムンジェイン)大統領をはじめとする政府高官が炭疽菌に対する予防接種を受けたという情報が流れ、大統領府(青瓦台)が否定に追われた。

大統領報道官によると、生物化学兵器テロ対策要員や民間人が炭疽菌にさらされる事態を想定して、韓国の疾病対策センターが炭疽菌のワクチン1000回分を調達。ワクチンは11月に到着した。

青瓦台は、手違いで炭疽菌にさらされる事態に備えてワクチン350回分を調達していたという。ただ、これは2015年の事案を受けて、前政権が指示したことだとしている。

2015年の事案では、米軍が研究目的で使っていた不活性化していない炭疽菌を手違いで韓国などに送付していたことが発覚。韓国に送られたサンプルは破棄され、施設の除染が行われた。

大統領報道官は、一般国民に炭疽菌の予防接種を受けさせる計画はないとしている。

これとは別に韓国メディアは、今年脱北した北朝鮮の兵士4人のうち1人が、生物兵器に対する耐性を持っていることが分かったと報じ、この兵士が炭疽菌の予防接種を受けていたか、過去に炭疽菌に感染したことがあったことをうかがわせると伝えた。

この報道については、韓国国家情報院も韓国国防省も確認できないとしている。

トランプ米政権は今月発表した「国家安全保障戦略」の中で、北朝鮮が核・化学・生物兵器の開発に多額を費やしていると指摘、ミサイルに搭載できる生物化学兵器の研究も行っているとの見方を示していた。

これに対して北朝鮮外務省は「事実無根」と否定している。