http://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-42509164

ケリー・リー・クーパー、BBCニュース

ロサンゼルス発成田行きの全日空機が26日、搭乗券を持たない「不正規の乗客」の搭乗発覚を理由に、飛行途中でUターンし、出発から8時間後にロサンゼルスに戻った。

200人以上の乗客には米歌手ジョン・レジェンドさんと妻でモデルのクリッシー・テイゲンさんが含まれ、テイゲンさんが状況をツイッターで920万人のフォロワーに「実況」していたため、騒ぎが広く知れ渡った。

ソーシャルメディアでは、「いったいどうやって」という点に疑問が集中した。空港警備がこれほど強化されているこの時代、チケットを持たない人がいったいどうやって搭乗できたのか。
テイゲンさんは機内から、「こんな飛行体験は初めて。11時間のフライトの4時間目に入って、引き戻している。このフライトに乗客じゃない人が乗っているので。どうして……どうしてみんな戻らなきゃならないの。分からない」とツイートした。

空港警備は

政府関係者はBBCに対して、「どこにも行かないフライト」の謎の乗客について、空港警備を正しく通過したものの、乗るべきフライトに乗らなかったと確認した。連邦捜査局(FBI)は事実関係を調べているが、立件には至っていないという。
米メディアによると、東京を目指す兄弟2人が、別々の航空会社のフライトに予約したものの、同じ便に乗ってしまったのが混乱の原因だったという。

全日空とユナイテッド航空の間には、共同運航便の取り決めがある。さらに、両社とも似た時間帯にロサンゼルスから東京へ向かう別便を運航している。これが、混乱の原因だったかもしれないと言われている。
引き返したフライトの乗客はBBCに対して、乗務員が食事を配る段階になって初めて間違いが発覚したと話した。食事の数が足らず、予備の分を配ったのが、気づくきっかけだったという。

「ビードゥープって鳴るだけ」

ユナイテッド便に乗るはずだった乗客が全日空便に乗っていたらしいと説明を受け、モデルでテレビ司会者のテイゲンさんは、「つまり、搭乗券のスキャナーっていうのは、何を調べてるわけでもなく、ビードゥープって鳴るだけのビードゥープ・マシンなんだ」とツイートした。

航空警備に詳しいジェフ・プライスさんはBBCに、搭乗券スキャナーはスタッフに、乗客の座席の位置を知らせるのが普通だと話した。もし非常口の隣の列ならば、緊急時に非常口を開いてもらうことになるが大丈夫かと確認されるかもしれない。チケットに問題があったり、QRコードが読み取れないなら、スタッフが気づくように合図がでるはずだという。
「ソフトウェアのバグか、なにか技術的な問題だったかもしれない。めったにないことで、たまたまの偶然が本当にたまたまピタッと重なったのか、まったくの完全なミスだったのか」とプライスさんは言う。

テイゲンさんとレジェンドさんの近くに座っていた乗客は、「こんなものすごい初ツイート、ありえない。ロスからロスまで8時間のフライトを、クリッシー・テイゲンとジョン・レジェンドと一緒に耐え抜いたところ」と写真付きでツイートした。
(リンク先に続きあり)

(英語記事 LA-Tokyo U-turn: How can you fly without a ticket?)

他の乗客のミスでUターンした全日空機には、クリッシー・テイゲンさんとジョン・レジェンドさん夫妻がたまたま乗り合わせていた。テイゲンさんのツイートで、920万人のフォロワーに状況が知れ渡った。
https://ichef.bbci.co.uk/news/410/cpsprodpb/EE29/production/_99396906_gettyimages-646551244.jpg