中学や高校の修学旅行先として北方領土に近い地域を選んでもらおうと、政府は来年度、教員向けの「下見ツアー」を開催する。

 北方領土問題への関心が年々低下する中、生徒たちに理解を深めてもらう狙いだ。

 ツアーは2018年夏から秋に実施する予定で、1泊2日を想定している。修学旅行先として北海道根室市や別海町など1市4町への訪問を検討する中学、高校の教員が対象。

本土最東端に位置する根室市・納沙布岬の啓発施設「北方館」や、国後島を望む羅臼町の「羅臼国後展望塔」を訪れるほか、元島民の語り部との交流や、船上からの北方領土視察を計画している。

 修学旅行で北方領土に近い1市4町に立ち寄る場合、宿泊費や移動用バスの借り上げ費の一部を補助する制度がある。

しかし、16年度の利用実績は9校にとどまった。このため政府は「旅行先の決定権を持つ教員に関心を持ってもらうことが先決」として、下見ツアーを企画した。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20171230-00050020-yom-pol