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12月30日 17時51分
17年前、東京・世田谷区の住宅で会社員の一家4人が殺害された事件で、命日の30日、遺族が墓参りをし、「なぜ、幼い子どもまでもが事件に巻き込まれなければならなかったのか知りたい」と述べ、事件の解決を訴えました。

平成12年の大みそか、東京・世田谷区の住宅で会社員の宮沢みきおさん(当時44)が、妻と2人の子どもとともに自宅で殺害されているのが見つかり、4人は前日の30日の深夜に、事件に巻き込まれたと見られています。

事件は未解決のまま、発生から17年を迎え、4人の命日の30日、みきおさんの母親の節子さん(86)が、埼玉県新座市にある霊園を訪れ、墓参りをしました。

墓には4人のほか、事件を受けて殺人事件などの時効の撤廃に取り組み解決を見ないまま5年前に亡くなった夫の良行さん(当時84)も眠っていて、節子さんは花を供えたあと、手を合わせていました。

墓参りのあと節子さんは「事件から17年もたつのにどうして犯人が逮捕されないのか。犯人には自首してほしい」と述べました。そのうえで「なぜ、幼い子どもまでもが事件に巻き込まれなければならなかったのか、どうしてこんな事件が起きてしまったのかを知りたい。それがわからないと、それ以上に前に進んで考えられない」と述べ、事件の解決を訴えました。

長期化する警察捜査

幼い子どもを含む一家4人が殺害された残虐な事件。警視庁は、この17年間で延べおよそ26万人の捜査員を動員して捜査を続けてきました。

これまでの調べによりますと、犯人は、身長が1メートル70センチ前後のやせ型の男で、血液型がA型、靴のサイズは27.5センチ、右利きで手にけがをしたと見られています。

宮沢さんの住宅に異変が起きたのは、平成12年12月30日の午後11時半ごろ。近所の人が「バタン」という物音がしたのを聞いていて、4人は、この時間帯に相次いで殺害されたと見られています。

犯人はその後、翌日の大みそかの未明から朝までに立ち去った可能性が高く、現場にはトレーナーやバッグ、それに包丁など犯人の持ち物と見られるものが8点残されたままでした。このほか、現場に残されていた足跡やバッグのにおいなどから、履いていた靴や使っていた香水も判明したということです。

また、現場では、犯人の指紋やDNAも検出されていることから、警視庁は現場の遺留品の流通ルートを調べて、購入した人を割り出せば、犯人の特定につながるとして、捜査を進めています。

特に、重点的に捜査しているのが「ラグランシャツ」と呼ばれるトレーナーです。このトレーナーは、大きさがLサイズで色が薄い灰色、袖の部分は薄紫色になっていて販売数は全国で130着と少なく、このうち、都内では10着しか販売されていませんでした。

しかし、購入者が特定できたのは全国で12着で、このうち、都内はわずか1着にとどまっています。トレーナーを販売していた地域は、都内では葛飾区、杉並区、八王子市、多摩市の4か所です。

警視庁は犯人がトレーナーの販売地域で生活していたか、買い物などで立ち寄った可能性があると見て、捜査を進めています。