NHKニュース 12月30日11時46分

ことしの国内の出版物の販売額は、漫画本を中心に雑誌の売り上げが過去最大の幅で減少して、
推計で去年よりおよそ1000億円少ない1兆3700億円余りとなり、市場規模はピーク時の半分ほどまで縮小する見込みです。
出版業界の調査や研究を行う出版科学研究所のまとめによりますと、ことし1年間に国内で出版された書籍と雑誌の売り上げは、
1月から11月までの販売実績をもとにした推計で、去年よりおよそ1000億円少ない1兆3700億円余りとなる見込みです。
13年連続のマイナスで、市場規模はピークだった平成8年の52%まで縮小する見通しとなりました。

このうち書籍の売り上げは7150億円で、人気作家の新作小説や学習参考書などでベストセラーが出たことから、去年に比べて3%ほどの減少にとどまる見込みです。

一方、雑誌の売り上げは、これまで市場をけん引してきた「漫画の単行本」が落ち込んだことから去年より10%余り減少し、6600億円前後と推計されています。
雑誌は20年連続のマイナスで、有名誌の休刊が相次ぐなど低迷に歯止めがかからないうえ、減少幅が初めて2桁に達する見込みで、かつてない落ち込みとなりそうです。

出版科学研究所によりますと、こうした紙の本の低迷に対して、スマートフォンなどに向けた電子出版の市場は拡大を続け、
ことしは去年に比べて推計で、電子書籍でおよそ10%、電子コミックではおよそ20%、増加する見込みだということです。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20171230/k10011275571000.html?utm_int=all_side_ranking-social_005