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1月2日 18時27分
イランで異例の体制批判に発展した反政府デモは40の都市に広がり、中部イスファハン州で市民らが警察署を襲撃して射殺される事態に発展しました。一連のデモによる死者は市民と警察官の合わせて22人となり、情勢の不安定化が懸念されています。

イランでは先月28日、物価の高騰や就職難に不満を募らせた市民が北東部の都市、マシュハドで抗議行動を行ったのをきっかけに反政府デモが40の都市に広がり、最高指導者のハメネイ師を頂点としたイスラム体制への異例の批判に発展しています。

国営テレビによりますと、1日夜には中部イスファハン州の町で市民らが警察署を襲撃し、武器を奪おうとして6人が射殺されました。また、国営テレビの映像では、火の手があがった警察署を大勢の市民が取り囲んでいて、治安機関の力が強いイランでは異例の事態となっています。これで、一連のデモによる死者は22人となり、拘束された人は500人以上に上っています。

こうした中、イランのロウハニ大統領は1日、議員との懇談の場で「市民らが抱える問題は経済だけではない。ほかにも要求があり、自由な環境もその一つだ」と述べ、イスラム体制下の厳しい社会制度への不満など市民の心情に寄り添う姿勢を示しました。

しかし、デモは2日もイラン全土の70か所で呼びかけられており、一部が暴徒化する中で治安当局との衝突も予想され、情勢の不安定化が懸念されています。