トヨタ自動車は、自動運転の電気自動車(EV)を使ったサービスの開発に向けて、米アマゾンや米ピザハットなど5社と提携すると発表した。運転手なしで商品を宅配したり、相乗りタクシーのようなライドシェアサービスを提供したりする想定。移動型の飲食店や小売店、ホテルにも使えそうだという。

 各社との実証実験を2020年代前半から米国などで始める。自動運転の「ロボットタクシー」の普及でマイカーの需要が減ることも予想されるなか、トヨタは、ネットの巨人、アマゾンと組んで移動サービス企業へ脱皮を図る。

 米ラスベガスで9日始まる家電・技術見本市「CES」にあわせ、試作した商用EV「eパレット・コンセプト」を公開した。長さ4・8メートルで、立ち乗りなら20人乗り。これよりも小さめの車と大きめの車も追加してつくる。

 アマゾンやピザハットのほかに、中国でライドシェアを手がける配車大手、滴滴出行(ディディチューシン)や、ほかの分野で提携済みの米配車大手ウーバー・テクノロジーズ、マツダとも協力する。

 トヨタ以外の企業が開発した自動運転システムも載せられるようにし、提携の門戸はあらゆる事業者に開くという。

 報道向け発表会で登壇した豊田章男社長は「車会社を超え、人々の様々な移動を助けるモビリティー会社へ変わることを決意した」と話した。

 日本を含む世界各国は現在、運転手なしでの自動運転を原則として認めていない。サービスの普及には規制の緩和が必要になる。

 米国などでの実証実験に先立ち、20年の東京五輪・パラリンピックで選手らを一部機能付きの自動運転車で運ぶことも検討している。(ラスベガス=初見翔)

配信2018年1月9日09時08分
朝日新聞デジタル
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