JR西 新幹線亀裂で脱線事故遺族に説明、謝罪
毎日新聞2018年1月10日 12時37分(最終更新 1月10日 12時56分)
https://mainichi.jp/articles/20180110/k00/00e/040/271000c

 JR西日本の吉江則彦取締役は10日、兵庫県三田市内で、乗客106人が死亡した福知山線脱線事故(2005年)の遺族4人に会い、新幹線「のぞみ」の台車に亀裂が入り破断寸前だった問題について謝罪した。

 吉江取締役は「運行指令と車両保守担当が相互に依存し、主体的に止めようとしなかった」と説明。脱線事故の反省から「判断に迷ったときは、最も安全と認められる行動をとらなければならない」と定めた安全憲章を念頭に、「至らないところがあり、これを契機に立て直しを図っている」とわびた。
 説明会後、遺族の藤崎光子さん(78)は「『ダイヤを乱すな』はJR職員にとって重い言葉。福知山事故と同じ体質が続いている」と批判。上田弘志さん(63)は「現場が『止めて調べさせてくれ』と言えないのが非常に危険。教訓が生かされていないことが明らかになった」と話した。
 吉江取締役は亀裂が見つかった先月11日は代表取締役副社長兼鉄道本部長だった。1月5日付で降格し、新幹線担当の取締役として原因究明や安全性向上策を担っている。JR西は他の遺族にも担当役員らが謝罪や説明をしている。【根本毅、石川勝義】