前にいた会社では当時34歳のAさんがいた。
彼は少しオタク系だったけど、物凄く優秀でPCのソフトの知識に詳しく、
情報系やネットサービスにも通じて国内外からフリーのデータを導入したり、
知識やテクニックを活用してオリジナルデータやツールを生み出す職人肌だった。

社内のフォルダの素材データやツールの管理は彼が担っていて、
残業したり寝泊まりして、サーバーを通して各PCに率先してデータを作成して配布していた。
社内のほとんどのPCに彼の作成したフォルダデータが保存されていたんじゃないかな。

やがて26歳ぐらいの高学歴の新人B君が技術部に配属された。
彼は飲み込みが早かったのもあるけど、Aさんの作ったデータやツールを活用して
プロジェクトを短期間でまとめることができた。

異例の功績に社内表彰されて、目に掛けた社長がすぐに昇進させた。
翌年の新年会では、上座にいるB君のグラスにAさんがビールを注いでいた。
あのとき、Aさんの気持ちはどんなだったのだろうか・・・。