橋下知事就任前の状態



7基金から借入金、「赤字」6681億円補う 大阪府(抜粋)
2009年10月21日 朝日新聞

 大阪府が公共施設整備などを目的とした基金から一般会計に借り入れた額が、08年度末で総額6681億円にのぼることがわかった。
財源不足を補うためで、これまで判明していた減債基金からの借入金5202億円のほか、新たに6基金からの借入金が1479億円あった。
府財政課は、減債基金と同様に「実質的には赤字」としている。

 減債基金は、赤字額を圧縮するため府が01年度から一般会計に借り入れてきたが、橋下徹知事は就任直後の昨年2月、やめると宣言。
知事の指示で作られた府財政担当者の研究会は同12月、借り入れは基金の設置目的に沿わないとして「今後一切おこなわないこと」と指摘していた。

 問題の基金は七つ。今年5月末の借入金内訳は、
(1)公共施設等整備基金1154億円(2)福祉基金160億円(3)みどりの基金83億円(4)府営住宅整備基金41億円
(5)女性基金28億円(6)文化振興基金13億円(7)減債基金5202億円。

 府によると、減債基金以外の6基金も財源不足対策として97年度以降、一般会計への流用を開始。
基金を所管する部局が、本来の事業に使おうと一般会計から「返済」を求めても、財政課が満額は認めない場合もあったという。

 今年2月に基金条例が改正され、基金からの新たな借り入れはやめたが、財政難のため返済はされていない。
借入金総額は予算書には記載されず、府の財源不足が見えにくい状態になっていた。