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1月15日 19時18分環境
東京の桜の名所として知られる目黒川で川からの悪臭を防ごうと、ヘドロなどがたまりやすい川底のくぼみを大量の石で塞ぐ工事が15日から始まりました。

東京の南部を流れる目黒川は、およそ4キロの両岸に800本ほどの桜が植えられ花見の名所の一つとなっていますが、目黒区によりますと水温が上がる季節などには一部で悪臭もするということです。

目黒区は、これまでも悪臭の原因となる川底のヘドロを取り除くしゅんせつ工事などを行ってきましたが、15日からは川底にヘドロがたまるのを防ごうと新たな工事を始めました。

具体的にはヘドロがたまりやすい川底のくぼみに大量の石を投入して塞ぎ、川底を平らにしてヘドロをたまりにくくするというものです。くぼみは最も深いところで2メートル60センチあり、工事では重さ1トンの石が入ったネット、合わせて700個を入れてくぼみをなくします。

初日の15日はクレーン車で石が入ったネットを持ち上げ、ダイバーが水中でくぼみの位置を確認しながら石を沈めていく作業を行っていました。
この工事は来月中旬まで行われる予定です。

目黒区土木工事課の清水誠課長は「2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて多くの人が楽しめる目黒川にしていきたい」と話していました。

目黒川のヘドロと悪臭

目黒区によりますと、目黒川では気温が上がる季節や雨が降ったあとなどに悪臭がしたり、水面が白く濁ったりするということです。

悪臭は川底に堆積したヘドロが腐敗することで発生しますが、目黒川には雨で増水した下水管から雨水とともに汚水が放流されるため、悪臭の原因となるヘドロが、川底のくぼみなどにたまりやすいということです。

また、目黒川は東京湾に注いでいるため、潮の満ち引きの影響を受けやすく、川の流れが悪いことなどもヘドロがたまりやすい要因になっているということです。

毎日、川の周辺を散歩しているという近所の70代の女性は「季節によっては川の臭いが気になります。昔と比べると改善しているように思いますが、さらに対策を進めてほしいです」と話していました。