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 沖縄県北谷(ちゃたん)町の北玉小学校の子どもたちの登校を見守る交通安全ボランティアに、米軍の若手兵士の有志が地元・北玉区の人たちに交じり活動を続けている。登校と通勤が重なり、通学路で速度を出す車に悩まされていた地域では、「スピードを出すYナンバーの車が減ってきた。ありがたい」と感謝している。

 参加しているのは、キャンプ瑞慶覧の兵士が中心で昨年6月ごろから始まった。きっかけは、瑞慶覧勤務で町宮城の富村浩子さんが「地域に貢献できる活動をしよう」と呼び掛けたことだ。ボランティアは北玉区が担当する火曜日と木曜日の週2回。午前7時半ごろから1時間余り、数人の兵士が交通安全のベストを着て、旗を片手に通学路に立つ。

 「人助けが好き」というリズリー・ピネダさん(23)はほぼ毎回参加している。沖縄駐留2年目。日本語は話せないが、流ちょうに「おはようございます」とあいさつし、子どもたち一人一人と笑顔を交わす。

 同小周辺は坂道が続く上、細い道が多い。さらに県道への抜け道でもあるため日本人、基地外居住の米軍関係者とも交通量が多く、以前から登下校の子どもたちの安全の確保が課題だった。特に出勤を急ぐ朝は危険が増しがちで、2年前からは平日午前7時半から1時間、同小前の道が車両通行止めになったほどだ。

 崎浜盛善自治会長は「前はフェンスにぶつかる車もいて危なかった。私たちが立っていると口論になったり反発したりするようなYナンバー車もいたけど、彼らがいたら仲間同士と思うのか、スピードが落ちてきた」と感謝する。

 また、体力の要る早朝のボランティアに若者が加わったことも大きな助けになっているという。「北玉区は高齢者が多い。暑い日も、寒い日も来てくれて本当にありがたい」と崎浜会長。孫が同小幼稚園に通っているという近所の女性も「一生懸命やってくれている」と感謝する。

 ホゼ・ドミンガスさん(21)は「寒くてベッドにいたい朝もある」と苦笑いしつつ「地元の者ではないけど、少しでも地域に貢献できたら」と話した。ニコラス・モリスさん(24)も「地域のために役立ったらいいと思う」と話した。