マグニチュード7・3の首都直下地震が起きると、首都圏で19万5400戸の家屋が全壊するとされるが、ほかに斜面を支えるコンクリートや石の壁(擁壁)が崩れるなど宅地での被害が約36万カ所で起きうることが、国土交通省の推計で新たにわかった。擁壁が崩れれば危険なうえ、救助活動の妨げにもなる。同省は擁壁調査に補助金を出し、自治体に対策を促す。

 擁壁対策の重要性は、2016年4月の熊本地震で注目された。熊本県内の1万カ所以上の擁壁が倒壊し、がれきが道路に散らばって復旧作業の足かせとなった。直後の大雨で盛り土が流れ出し、被害を拡大させた地域もあった。

 そこで国交省は、熊本地震の被害をもとに首都直下地震が起きた場合の埼玉、千葉、東京、神奈川4都県の被害を推計。擁壁の倒壊や地盤の液状化、亀裂などの宅地被害は約36万カ所と算出された。

 高度経済成長期に多くの宅地が… 残り:322文字/全文:687文字

2018年1月18日19時03分
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