国立研究開発法人 国立精神・神経医療研究センター(NCNP、東京都小平市 理事長:水澤英洋)神経研究所(所長:武田伸一)疾病研究第二部(部長:後藤雄一)の伊藤雅之 室長らの研究グループが、国内患者数10人程度と推定される難病で、重度発達障害をきたす有馬症候群の原因遺伝子を世界で初めて発見しました。

有馬症候群は、1971年に有馬正高(国立精神・神経医療研究センター病院名誉院長)が世界で初めて報告した疾患です。臨床的には、乳児期早期より重度精神運動発達遅滞、先天性視覚障害、嚢胞腎(ネフロン癆)、眼瞼下垂、小脳虫部欠損、下部脳幹形成異常(molar tooth sign: MTS)を呈し、進行性の腎障害を併発し、腎不全のため腎透析ないし腎移植を要します。これまでに、本邦から31例の報告があるのみで稀少性の高い難病で、常染色体劣性遺伝性疾患と考えられています。

本研究グループは、厚生労働省と日本医療研究開発機構の支援を受け、有馬症候群の原因遺伝子の同定を行いました。その結果、3家系4例の患者検体より、CEP290遺伝子の特定の遺伝子変異を発見しました。

この研究成果は、2018年1月2日にNature Communicationsオンライン版に掲載されました。

有馬症候群は、ジュベール症候群関連疾患の重症型と考えられています。これらの疾患は、すべて一次繊毛の構造に関与する分子の遺伝子異常に起因します。今回の発見は、こうした難病の発症メカニズムの解明に寄与することが期待できます。 

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https://research-er.jp/articles/view/67078
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