0001みつを ★
2018/01/19(金) 22:12:40.78ID:CAP_USER91月19日 20時21分
人生の最期をどこで迎えたいか、考えたことはありますか?厚生労働省はこのほど、終末期医療のガイドラインの案をまとめました。病気になり回復の見込みがなくなった時の治療やケアは誰がどのように決めればよいのでしょうか。(社会部記者 本多ひろみ)
“自宅で最期を迎えたい”
「最期は『家の布団の上』で迎えたい」
福井市に住む小林香代子さん(89)が、繰り返し家族に伝えていた言葉です。小林さんは医師から老衰の末期の状態と言われ、寝たきりの状態が続いています。認知症になり、自分の意思を明確に伝えることもできません。それでも長男の雅人さんと妻の恭子さん夫妻は、自宅で最期をみとる決断をしました。
決め手は“ACP”
その決め手となったのは「アドバンス・ケア・プランニング」、略して“ACP”という取り組みです。人生の最期に、自分がどこでどんな治療を受けたいか、それにどんなサポートを望んでいるかを、家族や主治医などと元気なうちから繰り返し話し合うことです。
「最期は家がいい」ーーー小林さんは認知症の症状が進行していない頃から、自分の思いを周りに伝え、その内容はノートに残されていました。
希望どおりにいかない終末期
小林さんのように住み慣れた自宅で最期を迎えたいという人は大勢います。
平成24年に内閣府が行った調査では「治る見込みがない病気になった場合、どこで最期を迎えたいか」尋ねたところ、自宅と答えた人は54%に上りました。しかし実際はおととし亡くなった人の74%が病院で最期を迎え、自宅は13%にとどまっています。本人の希望が家族に伝わっておらず、容体が悪化して救急車で病院に運ばれ、そこで亡くなる人も多いと見られています。
ガイドラインを改定
そこで厚生労働省は住み慣れた自宅で治療を受けるための手順を明確にするため、ガイドラインを改定することにしました。
その柱となったのが福井市の小林さんが実践した取り組み、“ACP”です。自分の希望を繰り返し家族や医師に伝え、そのつど、内容を文書で残しておくこととしています。このガイドラインの改定はことし3月までに行われる見通しです。
ACPは家族の強い支え
ただ、自宅で最期を迎えるためには家族などのサポートが必要不可欠になってきます。
在宅医療を選択した福井市の小林香代子さんの長男、雅人さんは、仕事のため家をあけることが多く、妻の恭子さんに大きな負担がかかるのではと不安を感じていました。
実際、恭子さんは食事や着替えなど生活の多くを支え、時にははっきりものを言う小林さんと言い争いをすることもあったといいます。怒りがこみ上げ「もう自宅では面倒は見られない」と思ったこともありました。
しかしある時、小林さんのノートを見て気持ちが変わりました。
「死ぬ時に誰がそばにいてほしいかと考えたら、息子の嫁さん」
小林さんがヘルパーに伝えた言葉がノートに書かれていて、恭子さんは思わず涙があふれたといいます。患者本人の強い希望は介護を担う家族の強い支えにもなるのです。
小林香代子さん
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180119/K10011295101_1801191941_1801191950_01_03.jpg
ACP
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180119/K10011295101_1801191940_1801191950_01_04.jpg
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180119/K10011295101_1801191941_1801191950_01_05.jpg