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 滋賀県東近江市百済寺(ひゃくさいじ)町の百済寺で中世まで造られていた幻の銘酒「百済寺樽(たる)」が444年ぶりに復活し、20日に地元の喜多酒造で蔵出しが行われた。復活プロジェクトのメンバーが原酒を試飲し、ロマンに浸った。
 百済寺樽は近江の清酒の発祥だが、1573年に寺が織田信長に焼かれたことで酒造りも途絶えた。地域おこし協力隊員の比嘉彩夏さん(30)が昨春、「多くの人に来てもらうきっかけに」とプロジェクトを企画。活動に協力する20〜70代のオーナー18人と酒米「玉栄」を1万2千平方メートルで育て、稲刈りもした。
 この日は、仕込み作業を担った同市池田町の喜多酒造を11人が訪れて酒蔵を見学、鏡開きをして祝杯をあげた。喜多良道社長(64)によると、やわらかく香りのある特別純米酒に仕上がったといい、メンバーたちは「飲みやすく余韻も味わえる」と笑顔を見せた。
 比嘉さんは「うまいの一言。食事に合いそうだし、長く愛されるお酒になってほしい」と期待を膨らませた。
 一升瓶換算で1600本を商品化し、2月初旬から県内の地酒専門店や同市妹町の道の駅「あいとうマーガレットステーション」で売り出す。四合瓶1250円、一升瓶2500円。