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1月21日 17時35分
首都圏など関東の平野部で雪が降り積雪となるかどうかは、関東の南岸付近を通過する低気圧の進路や気温など、複数の条件が重なった場合に限られ、正確な予測が難しい現象の1つです。気象庁は、最新の気象情報をこまめに確認するよう呼びかけています。

気象庁によりますと、本州の南の海上を東寄りに進む低気圧は「南岸低気圧」と呼ばれ、この影響で関東の平野部で雪が降り、積雪となるかどうかは、低気圧の進路に加え、上空や地表付近の気温など複数の条件が重なった場合に限られます。

具体的には、「南岸低気圧」が伊豆諸島の八丈島のやや南の海上を通過した場合で、雲が関東の平野部にかかり、雪か雨を降らせます。
さらにこのとき、上空に寒気が流れ込み、地表付近の気温が0度前後まで下がった場合などに、雪が降って積もることが多くなるということです。

一方、低気圧が八丈島のやや南の海上を通過した場合でも、地表付近の気温があまり下がらなければ、雪ではなく雨になることが多くなります。
また、低気圧が八丈島より北を通過し、関東に近づいた場合は、低気圧の南側にある暖かい空気が流れ込むため、雪ではなく雨になることが多くなります。

さらに、低気圧が関東の南岸からかなり離れた海上を通過した場合は、関東の平野部に雲がかからないため雪も雨も降りません。

気象庁は、22日は関東の平野部でも積雪となる可能性が高いとしていますが、南岸低気圧による雪は、進路や気温の下がり方が少しでも変わると降らなくなったり、逆に大雪になったりすることもあり、正確な予測は難しいとして、最新の気象情報をこまめに確認するよう呼びかけています。

過去の南岸低気圧による雪の影響は

「南岸低気圧」と呼ばれる本州の南の海上を通過する低気圧の影響で、関東など東日本の太平洋側ではこれまでも東京の都心など都市部で大雪となり、交通機関などに大きな影響が出たことがあります。

気象庁によりますと、5年前の平成25年1月14日の「成人の日」には、関東南部を中心にまとまった雪が降り、横浜市で13センチ、東京の都心で8センチの雪が積もりました。首都高速道路では都内と羽田空港などを結ぶリムジンバスが立往生したり、多くの空の便が欠航したりと、交通機関が大きく乱れました。

また、その翌年の平成26年2月8日には、西日本から東日本の太平洋側を中心に雪が降り続き、各地の積雪は千葉市で観測開始以来、最も多い32センチに達したほか、東京の都心で27センチと20年ぶりに20センチを超えるなど、関東甲信の各地で記録的な大雪となりました。
この影響で長野県安曇野市では、踏切で立往生していたと見られるトラックと列車が衝突し、トラックを運転していた男性が死亡したほか、静岡県伊豆市ではタクシー乗り場の屋根が雪の重みで崩れ、タクシーを待っていた男女2人がけがをするなど、各地で積雪による事故や歩行中の転倒事故などが相次ぎました。また、関東甲信の各地で停電も発生しました。

気象庁は関東甲信地方では、22日は夕方から夜が雪のピークになり、夕方以降の帰宅時間帯に交通機関に大きな影響が出るおそれがあるとして、時間に余裕を持って行動するよう呼びかけています。