http://www.sankei.com/smp/affairs/news/180123/afr1801230072-s1.html

 草津白根山の噴火を受け、年間300万人が訪れる人気観光地、草津温泉(群馬県草津町)の観光協会には23日、噴火を知った観光客や旅行を予定する人たちから「草津温泉に行っても大丈夫か」「雪崩の被害はないか」などの問い合わせが相次いだ。観光・旅行業界でも「温泉の横綱」との評価が定着している草津温泉だけに、関係者からは風評被害を懸念する声が上がった。

噴火があった本白根山から温泉街までの距離は約7キロ。入山規制は山頂から半径2キロ以内のため、草津町の黒岩信忠町長は「町に被害が及ぶことはないと考えている」との見解を示した。草津温泉観光協会の担当者によると、温泉街では噴火による人的、物的被害とも確認されていない。「においもなく、灰や噴石も飛んできていない」(担当者)という。

 ただ、県などによると、既に宿泊予約のキャンセルが出ているホテルもあるといい、湯畑近くにある旅館「ホテル一井」は「数件のキャンセルがあるものの、都内の大雪によるものが大半。だが、今後の予約には影響があるかもしれない」と不安視する。

 草津温泉は観光・旅行業界の専門紙「観光経済新聞」による「にっぽんの温泉100選」で15年連続1位。入り込み客数は平成27年度時点で300万人を突破し、29年度は330万人を見込む。噴火の影響で観光客が減少することになれば、町は財政面でも打撃を受ける恐れがある。