「管理職になりたい」は2割 成長意欲高める施策を
1/24(水) 7:47配信
https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20180124-00000004-nikkeisty-life
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キャリア・チャレンジ制度に参加した明治安田生命保険の女性社員。他部署での勤務経験で得た気づきを共有し合う

 働く女性の4割が仕事にやりがいを感じている一方、管理職になりたい人は2割にとどまることが、日本経済新聞の2000人調査で分かった。
数値目標を掲げ女性管理職の育成に取り組む企業は増えているが、管理職志向は低調だ。リーダー育成の課題を探る。
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 調査によると、現在の仕事にやりがいを感じている女性は4割。年代別では30代が42.2%と最も高く、40代が36.0%で最も低い。
 管理職志向を聞いたところ、「なりたいと思う」は2割。思わない人は6割に達した。仕事にやりがいを感じている層でも、管理職になりたいと思う人は24.8%にとどまった。
国は2020年までに指導的地位に占める女性の割合を3割にするとの目標を設定。企業も管理職の育成に力を入れるが、女性の意識とのギャップは大きい。

 なぜ管理職志向を持つ女性は少ないのか。早稲田大学大学院の谷口真美教授は「管理職志向を持つよう育成されてこなかったことに加え、リーダーのモデルが固定化されていることも背景にある」と分析する。
「強い指導力があり、仕事で成果を出せる人」というリーダー像と自分とのギャップを感じ、「向かない」と思い込む女性が多い。「リーダーの在り方は多様でいいとなれば、自分なりのリーダーシップを考えられるようになる」とみる。
 「管理職が魅力のない仕事に見えている」と指摘するのはリクルートワークス研究所の石原直子主任研究員。働き方改革やコンプライアンス(法令順守)の徹底など、管理職の負担は増す一方。
家庭や育児との両立は困難と感じる女性は多い。「企業は中間管理職に集中する負荷を分散するなど、管理職の役割を見直す必要がある」と指摘する。

 女性自身の意識が、活躍にブレーキをかけている面もある。「キャリアアップよりワークライフバランスを重視したい」「結婚相手には自分より多く稼いでほしい」という女性は8割を超えた。
「夫の出世に響いたら困るからと、共働きでも家事育児を引き受けている女性は多い。個人の意識改革や行動改革が重要だ」と石原さんは話す。
 個人の意識には、男女の賃金格差や税制など社会の仕組みの影響も大きい。女性活躍が進まない理由(複数回答)で「配偶者控除など女性の働く意欲をそぐ制度の存在」をあげた人が2割いた。
「男性が働いたほうが得」と意識づける制度の見直しも課題だ。
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 女性にいかに成長意欲を持ってもらうか。企業は試行錯誤を重ねる。
 女性管理職を20年までに14年度の3倍以上にするとの目標を掲げるホンダ。特徴的なのは、女性社員や現場の納得感を重視する施策だ。
「なぜ女性活躍が必要か、女性自身や現場のマネジャーがふに落ちなければ進まない」と向後睦子多様性推進室長は話す。
 人材の多様性を経営の重点課題に据えた14年以降は推進担当者が現場を回り、取り組みの意義を説明。女性社員とキャリア面談を重ね、個人の意向を踏まえたうえで育成する仕組みをつくった。
 17年11月には主任層の女性を集めダイバーシティフォーラムを開催。30〜50代の女性社員400人を前に、八郷隆弘社長が直接期待を伝えた。
「会社が本気だと伝えるとともに、刺激を受けて成長意欲を持ってもらいたい」(向後室長)。役職にかかわらず、活躍する女性を増やすことを目指す。

仕事にやりがいを感じているのは4割
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>>2以降へ続く