1/26(金) 20:34配信
 厚生労働省は26日、社会保障審議会介護給付費分科会に、4月から適用される介護報酬の配分方針を示した。在宅、施設を問わず、利用者の自立支援や重症化予防を進める事業者に重点的に配分したのが特徴。診療報酬との同時改定を踏まえ、医療と介護で切れ目のない支援の実現も目指した。【阿部亮介】

 自立支援では、訪問介護や通所介護(デイサービス)、特別養護老人ホーム(特養)などで、医師や外部のリハビリテーション専門職と連携して、利用者の生活機能改善に取り組んだ場合、月々の報酬を2000円増やす。利用者の要介護度が軽くなれば、結果的に介護費の抑制につながることへの期待もある。

 医療と介護の連携を強めるため、退院した利用者のケアプランを作成するケアマネジャーへの報酬を、医師との連携回数などに応じて現行より増やす。

 年間の死者数が130万人を超え、出生数を大きく上回る「多死社会」を迎えつつあることを踏まえ、病院以外でのみとりを促す。特別養護老人ホームで、体調が急変した時の医師の往診態勢を整えた場合のみとり介護加算を死亡当日について3000円増の1万5800円に引き上げる。またみとりに対応する回数の多い訪問看護事業所向けの加算を増額する。

 調理や掃除などを行う訪問介護の「生活援助」サービスは、担い手を増やすため、現在の130日よりも短い期間の研修制度を新設。ただし、報酬の大幅引き下げは見送られ、介護福祉士でも新たな担い手であっても事業者への報酬は同額となる。

 給付費抑制のため、一部で高額な料金が設定されている車椅子や介護ベッドなど福祉用具の貸出料に上限を設定する。

 介護報酬全体の改定率は昨年末に0.54%プラスと決まっており、利用者の負担(原則1割)は全体的には増える。ただし、利用サービスによって異なり、限度額を超えると払い戻される「高額介護サービス費」制度もあるため、一律に増えるとは限らない。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180126-00000118-mai-soci