http://www.sankei.com/smp/west/news/180127/wst1801270025-s1.html

岡山県教育委員会は24日、県内に生息する国指定特別天然記念物のオオサンショウウオと、外来のチュウゴクオオサンショウウオ(中国種)との交雑種が確認された−と発表した。中国地方では初とされ、今後は県内での在来種保護に本腰を入れることにしている。

 県教委は今年度、鏡野町内の苫田ダム以北を中心とする吉井川上流11地点(支流含む)で調査。捕獲した28匹のうち、3地点の6匹(全長42〜77センチ、体重340〜2810キロ)がDNA分析調査の結果、交雑種とみられると判明した。

 県教委文化財課によると6匹は「いずれも孫世代」で、交雑種同士や、交雑種にさらに在来種が交わるなどしたと推察している。

 中国種は昭和40年代後半以降、日中国交正常化などによる中国ブームで輸入が相次いだ。在来種よりも頭部前方がやや平らで眼が大きく、淡褐色の大きな斑点を持つなどの特徴がある。ただし交雑種となると見分けは困難という。

 中国種は飼い主が持てあますなどで野生化が進み、交雑種が本来の生態系を破壊。平成20年前後から関西方面で問題視されてきた。京都市の鴨川では在来種がほとんど姿を消すほど深刻化しているという。

 県内では文化庁などからの指導を受けながら、来年度以降は地元の鏡野町が主に調査を継続。捕獲した個体は何らかの飼育施設に「隔離」することにしている。

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