◆兵庫・宝塚市教委が教職員向けLGBT手引書作成 色に「男の子の色」「女の子の色」はない、性の多様性考える

性的少数者(LGBT)について教職員らの理解を深め、子供たちが相談しやすい環境をつくろうと、兵庫県宝塚市教委は公立保育所や小中学校の指導者向けに手引書を作成した。
保育や授業でのモデル案を提示している。県内初の試みで、全国的にも珍しいという。

同市は同性カップルがパートナーシップを宣誓した際に受領証を交付し、公的にパートナーとして認める制度を平成28年に開始するなど、LGBTへの支援策に力を入れている。
広告大手の博報堂が28年に実施した調査によると、国内のLGBTの人口に占める割合は5・9%で、30〜35人の学級だと1〜2人が在籍している計算になる。

このため市教委は、教職員がLGBTへの理解を深めることが必要と判断。
昨年5月にLGBTについての解説や、抱えている悩みなどについてまとめたリーフレットを教職員に配布した。
また、教職員向けの研修を定期的に開いている。

手引書はジェンダー(性)問題に詳しい宝塚大看護学部の日高康晴教授の助言を受けながら作成した。
保育や授業でのモデル案提示が中心で、「色で『男の子の色』や『女の子の色』がないことを気付かせる」など主に「指導上の留意点」が示されている。

また、中学生向けの授業では「身体の性」「性自認」「性的思考」「性別表現」の4つを示し、性の多様性について考える案を示している。
手引書は2月下旬ごろから公立保育所や小中学校の教職員に配布される。
市教委の担当者は「よりよい教育現場づくりの第一歩となれば」と話している。

産経WEST 2018.1.30 07:55
http://www.sankei.com/west/news/180130/wst1801300014-n1.html