福井市は30日、運転免許証の自主返納を呼び掛ける啓発イベントを同市のエルパで開いた。福井署が返納窓口を開設、「大きな事故を起こす前に」と高齢ドライバーらが手続きに訪れていた。

 自主返納は坂井市の県運転者教育センターや各警察署などで手続きできるが、返納に伴う市のサービスを受けるには市役所か各総合支所に行く必要がある。啓発イベントはこうした不便を解消し、一括して手続きできるようにするのが目的。

 エルパには、高齢ドライバーが家族らとともに足を運んだ。返納が完了した後は、バスや電車の回数券、割引など3種類ある市の返納支援制度から一つを選び、交付を受けた。この日は8人が免許を返納した。

●免許返納者の声●

【88歳男性(福井市)】
 「昨年11月、信号無視した若い女性の車にぶつけられた。いくら自分が気を付けても事故に遭うこともある。あと1、2年は乗りたかったけど、事故を起こすと惨め。寂しいが我慢して返納することにした」

【84歳男性(同)】
 「昨年7月、目的地に急ぐあまり追突事故を起こし、相手に軽いけがをさせてしまった。大きな事故を起こす前に返納しようと思った」

【73歳女性(同)】
 「1年前に交通事故を起こし、左目が不自由に。それ以来乗っていないので返納した。夫も5年ほど前に返した。バスや電車の時刻表を家に張るようになった」

【84歳男性(同)】
 「前回の免許更新では認知症検査でうまく質問に答えられなかった。病院にはバスで行けるが、車がないと買い物が不便。それでも事故を起こすよりは」

2018年1月31日 午後5時10分
福井新聞
http://www.fukuishimbun.co.jp/articles/-/288569