札幌市東区で生活困窮者らの自立支援関連施設「そしあるハイム」が全焼した火災で、北海道警は2日、司法解剖の結果、死亡した11人の死因はいずれも焼死と発表した。

 同施設は中央の廊下に煙や熱が充満しやすい「中廊下式」の構造で、急速に火が広がった結果、逃げられなくなった可能性があるとみて調べている。

 道警はDNA型鑑定などで11人の身元確認を進めているが、鑑定結果を照合する親族ら身寄りのない人もいるとみられ、全員の特定には時間がかかる見通し。

 道警や市消防局によると、死亡したのは入居者16人のうち、連絡が取れなくなっている48〜85歳の男女11人とみられる。

 施設は古い旅館を改築した、築50年ほどの木造2階建て。廊下の両側に部屋が並ぶ「中廊下式」で、1階中央の廊下付近が特に激しく焼けていた。

 居室の多くは2階にあるが、11人のうち7人は1階で倒れていた。廊下沿いにある階段から1階に下りたが、火勢が強く、逃げられなくなった可能性がある。助かった5人は、居室の窓から外に出るなどして救助された。

 運営会社などによると、各居室にはファンヒーターが置かれ、1階廊下のポリタンクからそれぞれが灯油をくんで使っていた。居室内での喫煙は許可されていたという。

 道警は現場の実況見分を続けており、助かった5人から当時の詳しい状況を聴くなどして、出火原因の特定を急いでいる。 

2018年2月2日 19時36分
時事通信社
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