https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180203-00000005-mai-soci
 文部科学省は、志願者の減少が続く法科大学院の改善案をまとめた。大学の法学部進学者が学部3年、法科大学院2年と、現行制度より1年短い5年で法科大学院を修了できる「法曹コース」の設置を大学に促すほか、法学部卒ではない「未修者」を法科大学院入学者の3割以上とする基準を撤廃する。多様な人材を集め、時間をかけて法曹を養成することを目指した司法制度改革の理念から大きな転換となる。

 文科省は5日にある中央教育審議会の特別委員会で改善案を示す。未修者枠は今年度末に撤廃し、法曹コースは早ければ2019年春に導入する見込みだ。

 司法試験の受験資格を得るには、誰でも受験できる司法試験予備試験に合格するか、法科大学院を修了する必要があり、修了までは大学の法学部4年、法科大学院既修者コース2年と、最短でも6年かかる。時間と費用がかかるため、予備試験の受験者が増える一方で法科大学院の志願者は減少しており、文科省は1年短縮できるコースを作ることで「法科大学院離れ」を食い止めたいとしている。

 法曹コースは、学部で法科大学院の科目を一部先取りするなど一体的な教育課程にする。法科大学院に進むには入試に合格する必要があるが、定員の一部に法曹コースの学生を対象とした選抜枠を設けて呼び込みを図る。ただし、大学卒業に必要な単位数は変わらないため、学生の負担が増えるといった課題もある。

 未修者枠は03年、文科省が数値目標として法学未修者や社会人の割合を「3割以上」と告示。だが、法科大学院の未修者コースを最短の3年で修了できるのは約半数にとどまり、17年度の司法試験では修了後1年目の合格率は16%と、既修者の46%と差が出た。また、同年度の法科大学院入学者に占める未修者の割合は25%と、5年連続で目標に届かなかった。【伊澤拓也】

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