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2月4日 5時32分
アメリカのトランプ政権が発表した新たな核戦略で、ロシアなどの脅威に対抗するため核戦力を強化する方針を打ち出したことについて、ロシア外務省はアメリカはロシアに関連づけることで自国の核兵器の増強を正当化していると批判しました。

アメリカのトランプ政権は2日、中長期の新たな核戦略を発表し、この中で、核戦力の増強を進めるロシアや中国の脅威に対抗するため、「低出力核」と呼ばれる威力を抑えた核兵器を増強するなど、抑止力を強める必要があるなどとしています。

この核戦略について、ロシア外務省は3日に声明を発表し「深く失望した。敵対的で反ロシア的な態度が明白だ」としたうえで「アメリカはロシアが核戦力を近代化させていることに関連づけることで、大幅に核兵器を増強することを正当化している」と批判しました。

また、アメリカが核戦略の中でロシアについて、「核兵器の先制使用、もしくは脅しにより、ロシアに有利な形で紛争をおさめられると誤解している」としていることに関連して、「ロシアが核兵器を使用できるのは、ロシアと同盟国に対して核兵器や大量破壊兵器が用いられた場合などに限られている」と反論しています。

そして、アメリカの核戦略は「われわれの自衛のための権利に対して疑問を投げかける試みだ」と批判したうえで、「われわれも必要な措置を取らざるをえないだろう」とロシアの核戦略にも何らかの影響が出る可能性を指摘しています。