http://www.asahi.com/articles/ASL26530CL26UHBI016.html

 大亀伝説で知られるベトナムの首都ハノイの観光地ホアンキエム湖を、ベルギー産の白鳥が泳ぐ「白鳥の湖」にする計画が物議をかもしている。市が白鳥と黒鳥を湖に放したところ、「神聖な亀の湖にそぐわない」との抗議が殺到。わずか1日で引っ越しさせる事態になった。

 「白鳥の湖」化はハノイ市が計画。1羽約2千万ドン(約9万6千円)の白鳥と黒鳥計12羽を民間企業が市に提供し、5日に湖に放した。ところが、大亀研究で知られる元大学教授らから「神聖な湖であり、どんな動物を育ててもよいわけではない」などの抗議の声が上がった。

漢字で「還剣湖」と表すホアンキエム湖には、15世紀に中国の明軍を追い払った英雄レ・ロイが勝利を導いた剣を湖の大亀にさずけ、神に返したという伝説があり、「亀の湖」として知られる。実際に体長185センチの亀がいたが2016年1月に死に、最近の調査では、もう大亀はいないことがわかっている。

 市は意見を考慮し、5日夜に白鳥と黒鳥を別の湖に移した。ただ、現地紙VNエクスプレスが約1万5千人に聞いた調査では、7割が「白鳥の湖」化に賛成している。(ハノイ=鈴木暁子)

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なぜか黒鳥も
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