「市役所全体に意識の低さがあった」「公選法に抵触するだけでなく民主主義の根幹に関わること」。昨年10月の衆院選で滋賀県甲賀市選挙管理委員会の職員らが無効票を水増ししていた問題で、岩永裕貴市長と松山仁市選管委員長は6日、市役所で記者会見し、厳しい表情でこう話した。

 市選管によると、衆院選滋賀4区の開票作業中、選管事務局長の総務部長、総務部次長、総務課長の男性職員3人が投票数と開票数の間に齟齬があることに気付き、白票を水増ししてつじつまを合わせた。

 その後、開票所近くの空き箱置き場から未集計の投票用紙の入った投票箱1個が見つかったが、3人のうちの1人が投票用紙を廃棄したという。

 今月1日になって、岩永市長に「未開封の投票箱が残っていたのを知っているか」という情報提供があったといい、市選管が職員らに聞き取りを行ったところ、無効票の水増しと投票用紙の処分が発覚した。

 同市では衆院選と市議選の開票作業が重なり、投票箱は開票所周辺の空き室や廊下に置かざるを得なかったという。未開封の投票箱について、市選管は投票箱保管場所から開票所を通らずに、直接空き箱置き場に運んでしまった可能性があるとしている。

 職員らは市選管の聞き取りに対し「大量の票が不明となり、捜索を指示したが確認できず、気が動転してあせった」などと話しているという。水増しについては3人で話し合って決めたという。

 昨年の衆院選滋賀4区には新人3氏が立候補。自民党の小寺裕雄氏が8万114票を獲得し初当選し、希望の党の徳永久志氏は6万4617票、共産党の西沢耕一氏は2万2896票だった。市選管は、比例代表の惜敗率も含めて「選挙結果には影響はない」としている。

ソース
http://www.sankei.com/west/news/180207/wst1802070012-n1.html