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2月9日 18時44分
記録的な大雪となっている北陸などでは、10日、低気圧に向かって暖かい空気が流れ込むため気温が上がり、雨も降ると予想されています。急速に雪どけが進み、落雪や雪崩、それに河川の増水や浸水の危険性が高まるため、十分注意が必要です。

見た目でわからなくても…

防災科学技術研究所の雪氷防災研究センターによりますと、1立方メートル当たりの雪の重さは、新雪の場合100キロ〜150キロで、日数がたった「しまり雪」の場合には1.5倍から2倍に、気温が上昇して「ざらめ雪」になると3倍程度、場合によっては5倍ほどになるということです。

雨が降ると、雪がいわばスポンジのようになって水を吸い込むため、水の重さがさらに加わるということで、農業用ハウスやカーポートと呼ばれる車庫のほか、場合によっては住宅の倒壊の危険性が高まるということです。

落雪やつららの落下も

また、気温が上がると雪崩が起きやすくなるほか、住宅でも屋根からの落雪やつららの落下が起きやすくなり、けがをする危険性が高まります。

川の増水にも注意

雪どけと雨が重なると川の水位が急激に上昇するため、河川の増水や浸水にも注意が必要です。

国土交通省によりますと、平成17年には東北や北陸で浸水被害が相次ぎ、土砂崩れや住宅が水につかる被害が起きました。3年前の平成27年4月には青森県で岩木川の水位が上昇し、果樹林が浸水する被害が出ました。

市街地でも道路が冠水する危険性があるほか、用水路や雪を流す融雪溝などに雪がつまっていると、浸水のおそれが高まります。

この時期は梅雨に備えて堤防などを改修している河川も多いため、国土交通省は大雪になっている地域の河川事務所に対し、融雪や雨による水位の上昇に十分注意するよう呼びかけたということです。

専門家「注意して雪下ろしを」

防災科学技術研究所雪氷防災研究センターの本吉弘岐主任研究員は「気温が上がったり、雨が降ったりすると、見た目にはわからなくても雪は相当重くなっている。つららに当たったり、落雪の被害にあう危険もあるので、その前に雪下ろしをするなど、十分注意してほしい。また、用水路に雪を捨てる作業中に転落する事故があとを絶たないので十分注意し、子どもが近づかないようにしてほしい」と注意を呼びかけています。

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