石破茂・自民党元幹事長(発言録)

 (憲法改正について)党の総裁選の争点になるのは実に望ましい。野党の3年余りの間に改正草案をまとめ、党議決定し、それを掲げて政権を奪還したはず。3年余りの議論をなかったことにするのはやっちゃいけない。「野党の時に決めたもの」という人もいるが、与党になったら違うといったら、野党の時に自民党が何を議論しても誰も信用しない。(9条2項を残す改憲には)反対だ。改正草案はそうなっていない。

 (安倍晋三首相の9条2項を変えれば、フルスペックの集団的自衛権の行使を認めることも可能との発言について)集団的自衛権は憲法上制約があるわけではなく、自民党で党議決定した安全保障基本法で、こういう場合でなければ使ってはいけないと明記し、集団的自衛権行使に歯止めをかけるということだ。自分のほうが平和的で、石破のほうが好戦的というのは、考え方としてあんまり正しいとは思えない。

 (改憲での公明党への姿勢を問われ)自民党の考え方を確定しないで、公明党にこれなら妥協をしてもらえるかなどを考えるのは、政党のあり方として正しくない。自民党の考え方を確定し、ハードルを下げていくことはあるかもしれないが、最初から落としどころを決めるのは、自民党議員が突き詰めて理想を考えることを放棄することになる。(ラジオ日本の番組で)

2018年2月11日11時10分
朝日新聞デジタル
https://www.asahi.com/articles/ASL2C3DMHL2CUTFK001.html