日本電産社長に就任する吉本副社長
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 日本電産は15日、吉本浩之副社長(50)が6月20日付で社長兼最高執行責任者(COO)に昇格すると発表した。永守重信会長兼社長(73)は代表権のある会長兼最高経営責任者(CEO)に就く。吉本氏は日産自動車など自動車メーカーを経て日本電産に入社し、自動車部品部門を主に担当してきた。永守氏は日本電産の創業者で社長交代は初。今後会長として買収戦略など経営の中核を担いながら、大学経営などにシフトし一部の業務を吉本氏に託す考え。

 吉本氏はプロパー社員ではない。1991年に大阪大学人間科学部を卒業し、日商岩井(現双日)に入社。2002年にはカーネギーメロン大学で経営学修士(MBA)を取得した。その後、カルソニックカンセイを経て、12年に日産自動車に入社。タイ日産自動車の社長を務めるなど、経営者としての実績を積んだ。

 15年3月に日本電産に移ると、その2カ月後には日本電産トーソクの社長に起用され、翌16年には日本電産の副社長執行役員に昇格した。トーソクはもともとは日産傘下の会社で、自動変速機や無段変速機といった自動車部品の開発製造を手がける。日本電産は電気自動車(EV)の駆動用モーターといった次世代対応の車載部品を成長分野と位置づけている。カリスマ創業経営者の永守氏は、その道のプロを後継に選んだ格好だ。

吉本 浩之(よしもと・ひろゆき)91年(平3年)阪大人間科学卒、日商岩井(現双日)入社。08年カルソニックカンセイ、12年日産自動車、15年日本電産特別顧問、16年副社長。京都府出身。

2018/2/15 15:48 (2018/2/15 16:52更新)
日本経済新聞
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