https://lpt.c.yimg.jp/amd/20180216-00010000-doshin-000-view.jpg

【幌加内】道内で36年ぶりとなる3メートル超の積雪を14日に記録した上川管内幌加内町。15日も断続的に降雪が続き、住民は早朝から除雪に追われた。道内有数の豪雪地帯で雪かきに慣れた身にも、大きな負担がのしかかる。深雪ゲレンデが人気のスキー場はあまりの雪の多さに臨時休業、除雪業者は町外から応援を依頼する事態になっていた。多すぎる雪に疲弊する町民の姿を追った。(士別支局 山村麻衣子)

15日午前9時。盆地地形の幌加内のまちが雪に埋め尽くされていた。国道275号を進み、町役場がある市街地に近づいても家並みが見えない。道路脇に積まれた雪が壁になり視界をふさいでいた。

「毎朝起きてうんざり。雪を捨てる場所が無い」。国道沿いで食品店を営む伊藤峰子さん(77)が、店の前の雪かきを嘆いた。近くの電器店主寺崎嘉男さん(57)は、屋根の上に2メートル近く積もった雪をスコップで崩していた。「ここで生まれ育ったが今年はひどい。2週間前に雪下ろしをしたばかりなのに」

町内の住職松沢琢宗(たくしゅう)さん(74)の平屋の自宅は、地面に降り積もった雪と屋根の雪がくっついていた。「窓がふさがれ、日が入らない」とため息をついた。

市街地西側の町営ほろたちスキー場は、豪雪を生かした未圧雪の深い雪を滑るコースが売りものだ。そのスキー場のリフトが動いていない。雪が降りすぎて積雪がリフト搬器の高さに達してしまい、12日午後からリフト運行をストップしていた。南出安博支配人(48)は「うちは深い新雪を好むスノーボーダーらに人気がある。滑りたいという問い合わせが相次いでいるが、雪が多すぎて断っている」と残念がる。

道路の除雪を委託されている業者には疲れがたまっていた。町道などの除雪を請け負っている町内の建設会社専務の塚田隆さん(67)は「社長を含め総出で作業しているが人手が足りず、旭川から助っ人も呼んでいる」と話した。

2/16(金) 6:03
北海道新聞
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180216-00010000-doshin-hok