去年の衆院選で白票が水増しされていた問題が発覚してから1週間。ずさんな管理態勢が明らかになってきました。

 民主主義の根幹を揺るがす、選挙管理委員会による組織ぐるみの不正。去年の衆議院選挙で、滋賀県甲賀市の前の総務部長(57)ら3人は、開票の際、投票箱1つを紛失。そこで、あろうことか使っていない投票用紙を混ぜ、つじつま合わせをしていました。翌日、投票箱は見つかりましたが、入っていた数百票を開票せずに焼却していたことがわかっています。投票用紙を焼却した当時の総務課長(55)は、ABCの取材に、「迷惑をかけたというだけで、すみません、すみません」と何度も頭を下げました。問題が明るみに出たのは、「選挙翌日、投票用紙が入った投票箱が見つかったのは、ご存知ですか?」という内容の、市長宛ての告発でした。再発防止のため開かれた13日の研修会で、岩永市長は、「ミスをミスとして報告できる風土が甲賀市役所にはなかったのか」と幹部職員らに語りかけました。不正があった日、甲賀市は衆院選と市議選の選挙で、開票所には過去最多の400個の投票箱が集まっていました。当日、投票箱は楽屋や廊下に並べられ、そこからホールに運んで開票。そして、箱が空になったことを立会人が確認したあと、レッスン室に運ぶという流れでした。しかし、紛失した投票箱が見つかったのは、空になった箱だけが集まるはずのレッスン室でした。当時の総務部長らは対応を話し合った結果、見つかった投票用紙を焼却することに。3人は、選管委員長の聞き取りに対し、「大量の票が不明となり、気が動転して焦った。開票の遅れを避けたかった」と話したということです。甲賀市民は、「日本全国の恥だよ。選挙をやり直してほしい」「怒りというより、呆れる。よくそういうことが出来るな」などと話しています。甲賀市選挙管理委員会は再発防止策として、監視カメラの設置と職員に揃いのジャンパーを着用させ、不審な動きがわかりやすくすることを検討しています。

朝日放送

ソース
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20180214-00010010-asahibcv-l25