マクドナルドのサラ・カサノバCEOが赤字なのに従業員の給料を上げた理由

マクドナルドが2017年12月期決算で過去最高益を出す見込みだ。
ここにきてサラ・カサノバCEOの大胆な経営が注目を集め始めている。
長らく低迷が続いたマクドナルド。トップが変わっただけで株価は倍ほど変わった。

日本マクドナルドは原田泳幸会長がトップに立ち、コストカットを押し進めるこ
とで成果をあげてきた。しかし、コストカットの経営手法は現代に通用しなく
なり、いつの間にか顧客と経営者の間でズレが生じ始めていた。

世間からバッシングをあびるようになった原田泳幸会長はおそらく米国本社か
らも相当な厄介者扱いされていたのだろう。2015年2月についに会長をクビにな
った。そして新しく就任したサラ・カサノバCEOが経営改革に取り組み、試行錯
誤を繰り返す中でついに大きな成果を上げることに成功したのだ。

サラ・カサノバCEOの最も大きな英断は、大赤字なのに従業員の給料を上げたこ
とにあった。

サラ・カサノバ
マクドナルドのビジネスは「人」によって支えられてる

私たちが成功するためにはまず従業員が満足しなければならない

ビジネスの成功には社員の満足が不可欠

これは日本の経営者にはなかなかない発想だろう。「顧客満足」という言葉
が広く知れ渡っているのに対し「従業員満足」という言葉はあまり使われない。
サラ・カサノバCEOは従業員をコストと捉えるのではなく、金の卵を生むニワト
リだと捉えた。だから大事に扱い、給料を上げるという決断ができたのだ。

結果的に高い従業員満足度は顧客満足にも繋がったと言える。
昔は絶賛された原田泳幸のワンマン経営は今では全否定の対象になりつつある。
会社が赤字だからといって従業員の給料を減らしてしまうとジリ貧に陥る。
大事なのはコストカットではなく、ニーズを捉えた的確なマーケティングだ。
方針さえ正しければ数字は後からついてくる。
それにしても悲惨なのは原田泳幸。自身の成功体験を毎年、本にしてきたのに
出版は2014年で止まってしまった。
その後はベネッセの社長兼会長として仕事をしていたが、特に話題になること
もなく、大きなニュースになったのは就任直後の個人情報流出騒動ぐらい。
会社はトップで大きく変わるということをサラ・カサノバCEOに学ばせてもらった。