皮膚に貼って心電の波形などを表示できる装置を東大などの研究チームが開発した。薄いゴムシートに小さなLEDが埋め込まれ、動画を映すことができる。別のセンサーで計測した心電や体温の変化を確認したり、薬をのみ忘れたときに知らせたりでき、在宅療養する人の状態を把握できると期待されている。

 LEDを等間隔に約400個埋め込んだ装置は薄さ1ミリで、伸び縮みする。引っ張った時に配線が壊れないよう、力が分散するように設計。1万回の試験にも耐え、凹凸のある手の甲など、よく動かす部分にも貼れるという。

チームは体に貼り付けるセンサーも開発。心電を測る場合には胸に貼ってデータをとばして装置に表示するほか、遠隔地にいる医師らも確認できる。染谷隆夫・東大教授(工学)は「患者への負担をかけずに、脈拍や体温を測ってデータを確認できる。情報へのアクセスもしやすい」と話す。

 チームの前田博己・大日本印刷研究開発センター部長は、「スポーツでの応用にも期待できる。改良を重ね、3年ほどで実用化したい」と言う。成果を17日、アメリカ科学振興協会の年次大会で発表した。(水野梓)

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