「1票の格差」が最大1.98倍だった昨年10月の衆院選は、投票価値の平等に反し憲法違反だとして、弁護士グループが選挙無効を求めた訴訟の判決で、福岡高裁宮崎支部(西川知一郎裁判長)は19日、「合憲」と判断し請求を棄却した。

 全国14の高裁・高裁支部に起こした訴訟で判決は13件目。これまで名古屋高裁が「違憲状態」と判断し、ほか11件は「合憲」としていた。

 衆院選の1票の格差訴訟で、最高裁は最大格差が2.43〜2.13倍だった2009年、12年、14年の衆院選について3回連続で違憲状態とした。

 国会は選挙制度改革を進め、16〜17年の法改正で小選挙区の定数を「0増6減」し、区割りも見直した。格差は小選挙区比例代表並立制が導入されて以降、初めて2倍未満に縮小した。今後、都道府県の人口比を正確に反映しやすい議席配分方法「アダムズ方式」も導入する。

 原告側は、最高裁判決が格差を生む主な原因とした「1人別枠方式」が現行制度でも残っていると指摘し「違憲状態が解消されていない」と主張。宮崎、鹿児島両県の全7選挙区の選挙やり直しを求めた。被告の選挙管理委員会側は「格差を是正した。区割りは合理的」としていた。〔共同〕

2018/2/19 13:50
日本経済新聞
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO2708104019022018000000/