◆餃子日本一奪還の宇都宮市 8月には餃子映画も公開

 「そりゃもう嬉しいよ。3年間も浜松に1位を譲ったままだったんだから」、「宮っこ(宇都宮市民)としては、やっぱり1位は誇らしいよね」。JR宇都宮駅(栃木県)に降り立つと、駅前には〈ようこそ餃子日本一の町、宇都宮へ〉と書かれた看板がいくつも掲げられ、餃子専門店が立ち並んでいる。餃子のビーナス像や餃子の人気ゆるキャラ・スタミナ健太くん像の前では記念撮影をする観光客の姿も。裏路地に足を踏み入れれば、食欲を誘う香りが漂う。

 日本を代表する「餃子の街」は久しぶりの歓喜に沸いていた。1月30日、総務省が発表した家計調査の「年間餃子消費量(2017年度)」で宇都宮市が、4年ぶりに日本一の称号を取り戻した。

 「年間餃子消費量」とは1世帯が年間どれだけの量の餃子を消費(購入)したかを調べたもの。毎年、同調査の発表は餃子ファンの間で、宇都宮と静岡・浜松のどちらがトップを獲るのかという「餃子戦争」として大きな注目を集めている。宇都宮は2016年度まで3年連続で浜松の後塵を拝していた。トップ奪還のニュースを聞いた本誌・女性セブン記者は、最新の宇都宮餃子事情を探るため、すぐさま宇都宮へ向かった。

 市内にあるスーパーの餃子コーナーには早速〈宇都宮餃子消費量日本一おめでとう〉と書かれたPOP(店内販促物)が貼られている。餃子売り場の前で60代の女性が喜びを爆発させた。

 「2014年に浜松に1位を奪われてからは、意識的に餃子を買って、食べるようにしていたの。そしたら今年1位になった。本当に嬉しいわ」

 そう笑顔を見せる彼女の肌はつやつやとして、いかにも健康そうだ。それもそのはず。2015年度の厚生労働省の研究事業「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」によれば、宇都宮がある栃木県の女性の健康寿命は11位。ライバル・浜松の静岡県では男性が1位、女性が2位にランクインしている。餃子が“健康食”になっているのは間違いない。

◆浜松と戦うのはもうやめた

 宇都宮餃子の始まりは、戦争中に中国に駐屯していた陸軍が現地の白菜中心の甘みがある餃子の味を帰国後に広めたことからといわれている。宇都宮餃子会事務局長・鈴木章弘さんが語る。

 「市と民間の共同組合である宇都宮餃子会が協力し、20年ほど前から“餃子による町興し”を進めてきました。餃子のテーマパークをオープンさせたり、宇都宮餃子祭りを開催したり、日本中に『餃子の街』として知られるようになり、1999年に第一回宇都宮餃子祭りを開催した時には観光客が2万人を突破するなど、活動は順調だったのですが…」

 だが、2011年に起こった東日本大震災で状況は一変。震災による消費の冷え込みと風評被害により、2012年に宇都宮は長年守り続けてきた消費量1位の座を、宇都宮に対して「ウチこそが日本一の餃子の街」と長年主張してきた浜松に譲り渡してしまう。

 2位に転落したことを機に、鈴木さんは友人らと「1位奪還推進委員会」を結成。餃子の消費量を増やすため、栃木県出身のモデルを「宇都宮餃子消費量日本一奪還アイドル」に起用してポスターや街頭演説で市民に対して消費量拡大を訴えたり、スーパーで特売キャンペーンを行ったりと、なりふり構わない姿勢で日本一奪還を目指した。その甲斐あって、2014年に1度、トップを取り戻した際には、新聞の号外が出るほどのお祭り騒ぎとなった。

写真:餃子日本一奪還に湧く宇都宮市
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Yahoo!ニュース/NEWSポストセブン(女性セブン2018年3月1日号) 2018/2/16(金) 16:00
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