全学連=全日本学生自治会総連合のメンバーが、警察官に暴行を受けたとして賠償を求めている裁判で、裁判官が証拠の保全のため警視庁に入り、警察官が撮影した動画の提出を求めました。

全学連のメンバーは、おととし、都内で開いた大会の会場付近で、警視庁公安部の警察官から突き飛ばされたり胸ぐらをつかまれたりする暴行を受けたとして、東京都や警察官に賠償を求める裁判を起こしています。

全学連側が、もみ合いの様子を警察官が撮影した動画などを裁判の証拠として提出するよう求めたのに対して、警視庁は応じず、東京地方裁判所の裁判官などは、証拠を保全する必要があるとして、23日、東京・霞が関の警視庁に入りました。

この手続きは証拠が失われるおそれがある場合に行われるもので、警視庁での実施は異例です。

全学連の弁護士によりますと、裁判官が任意で動画を提出するよう求めたのに対して、警視庁は、「無関係の人も写っているのでプライバシーが侵害される」などとして応じなかったということです。

全学連の弁護士は、「警視庁が証拠を改ざんしたり、隠滅したりするおそれがあると裁判所が認めたことに意義がある。引き続き動画の提出を求めていきたい」と話しています。

一方、警視庁は「裁判所で審理中の事案であり、コメントできない」としています。

2月23日 20時30分
NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180223/k10011340851000.html