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2月26日 5時22分
今月の記録的な大雪の影響で、国の伝統的工芸品に指定されている福井県の「越前和紙」は、工場の設備が壊れる被害など1億2000万円を超える影響が出ていることが生産者の組合の調べでわかりました。

福井県越前市では、およそ60の生産者が越前和紙を製造していますが、観測史上最多となる1メートル30センチの積雪を記録するなど、今月の大雪で工場の設備が壊れるなどの被害が出ました。

生産者でつくる福井県和紙工業協同組合が緊急に調査を行ったところ、今月20日の時点で、24の生産者が被害を受け、被害額は6400万円余りに上ることがわかりました。

また、出荷できなかったり、注文をキャンセルされたりするケースも相次ぎ、大雪による出荷停止や売り上げの減少なども含めると影響は1億2000万円を超えるということです。

組合によりますと、越前和紙の売り上げは年間およそ28億円ですが、大雪による被害額などは今後、さらに膨らむ可能性もあるため、福井県などと復旧に向けた支援策について協議することにしています。

福井県和紙工業協同組合の石川浩理事長は「越前和紙にとっては大変厳しい状態だ。このまま生産や出荷が滞る状態が続けば、別の産地や洋紙への切り替えが進み、越前和紙の需要が落ち込むのではないかと危惧している」と話しています。