米軍三沢基地所属のF16戦闘機が燃料タンクを小川原湖に投棄した事故で、小川原湖漁協(青森県東北町)は26日、事故当日に現場周辺で組合員が採ったシジミ385キロ(時価50万円以上)を焼却処分した。同日は米軍三沢基地のスコット・ジョーブ司令官が初めて同漁協の濱田正隆組合長と蛯名鉱治町長を訪ね、事故の発生と、謝罪に来ることが遅れたことをわびた。漁再開のめどは依然立っていない。

 焼却処分は同町の中部上北清掃センターで行われた。漁協の冷蔵庫で保管していたシジミをトラックに載せ、焼却炉に運び込んだ。事故当時、小川原湖では組合員126人が操業しており、処分したのは湖南側で組合員26人が採取した分。

 濱田組合長は「こんなに大量のシジミを処分するのは組合として初めて」、鶴ケ崎信宏理事兼環境対策委員長は「ブランドを守るため処分は仕方がないが断腸の思い。一日も早く漁を再開したい」と語った。

 同漁協によると、ジョーブ司令官は組合長室で「組合員と地元に多大な迷惑を掛けた」と謝罪した。濱田組合長は「来ることが遅れたことを遺憾に思う」と述べ、油とタンクの全面回収を改めて強く要望した。同司令官は補償については「早急に進める」としたが、事故原因については言及しなかった。

 ジョーブ司令官は次いで町役場を訪ね、蛯名町長に謝罪。蛯名町長は取材に対し、事故原因の究明とF16の湖上空の飛行停止を求めた−とし「司令官は(事故後も)飛行前と飛行後の機体の整備を万全にしていると述べ、飛行停止には言及しなかった」と語った。
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